大航海時代

その歴史は大航海時代の18世紀にさかのぼり、ロスチャイルド家が自生地である南アフリカからイギリスにネリネを持ち帰ったことから始まります。花の輝きがまさにダイヤモンドのようだったからコレクションにしたようです。しかしその美しさが裏目に出て、その後も自生地では大量に球根が掘られてしまい、南アフリカでは美しい色のネリネが全く残っていないのが現状で、現地の植物園関係者や学者ですらその存在を知らず、資料でのみ確認したことがあるということのようです。

20世紀〜現在

20世紀に入るとイギリス、オランダ、ニュージーランドを中心に品種改良が飛躍的に進みました。日本には明治末期に学者や種苗会社などによって導入されたという文献が残っています。
しかしヨーロッパでは近年生産量も落ち、品種改良を進めているという話は聞かれません。というのもネリネはなんといってもその生産効率の悪さなど考えると商売として旨みが少ないからでしょう。もれなく日本においても同じ状況です。

2010年に現地調査

僕が2010年に現地調査をした限りでは、オレンジ色のネリネしか確認できませんでした。育種家である自分の観点から申しますと、このオレンジ色の花から真っ白の花や、キレイなピンクを生み出すのは極めて困難と言えます。今となっては「かつては様々な色がケープタウンのどこかに生育していた」ということが言えます。
僕の推測ではテーブルマウンテンの大地の上に多く自生していて、その場で独自の変化を遂げ変異が多く出ていたと考えました。しかし、テーブルマウンテンの上は非常に散策しやすいため、容易に発見して掘ることもできるため、絶滅に瀕してしまったのでしょう。

ネリネはタネまきから花が咲くまで6、7年かかります。分球して花が咲くまでも3、4年はかかるため、品種改良から選抜、流通、増殖まで最低でも15~20年近い年月を要します。また年間を通して秋に1つの球根から1本しか咲かないため生産・採算効率も悪く、多くの研究機関や種苗会社などは撤退を余儀なくされており、日本でもごくわずかな生産者が残っているだけとなってしまいました。
横山園芸ではそれら海外の多くの品種や元々の野生種・原種を含め多くの品種を古くより導入して維持をしています。古い品種では1903年に発表されたものもあります。